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「オリンパス損失隠蔽加担か」に、野村Hが「事実に基づかない」の声明
会長、副社長、監査役の3人と、問題の佐川肇氏の
「個人ぐるみの犯行」で乗り切る思惑は通用するか-11月9日便
昨日(8日)夜、野村ホールディングスは、「オリンパスの損失隠蔽に加担しているのでは、という一部の報道は、事実に基づくものではない」と、やや含みを残した否定声明を発表した。問題の報道などから、昨日の野村H株が急落(200円台前半に)し、黙殺したままでは、本日の野村株、さらに東京株式市場全体に悪影響を与えるとの危機感から、異例の時間帯での声明発表を実施したと思われる。同声明、さらに、イタリアのベルルスコーニ首相の辞任表明好感などから、とりあえず本日の日経平均株価は、8700円台に買い戻されている。
だが、今回の野村の声明で納得している市場関係者は皆無といっていい(むろん、同社との業界内での力関係を配慮し、表立って異を唱える関係者も限られているが)。
昨日速報した、オリンパスの損失飛ばし、隠蔽の重要な材料となった、英医療企業買収を仲介したのは、アクシーズという欧米系の投資助言会社とされている。だが、実態は、佐川肇氏という、米国での勤務歴が長い日本人が独立して立ち上げた、”日系の個人商店”といっていい。
佐川氏は、69年に野村証券に入社し、その後、野村総合研究所に移籍。80年に野村の米国法人であるノムラセキュリティーズに転勤し、4年勤めている。85年に同社を退社し、しばらく「バンド活動」していたとされる。90年に米証券、ペインウェーバーに入社し、97年に独立して、投資助言、M&A仲介を主業務とするアクシーズを設立している。
だが米SECに提出した申告によると、同社の業績は2005年まで毎年、年商が日本円で3000万円以下が続いており、1年を続き、赤字決算だった。この間、佐川氏は「バンド活動」の副業で生計を立てていたともされる。しかし2006年にアクシーズは投資助言契約を結び、この年以降、同社は年商2〜3億円程度と大幅に収益を上げた。そのほとんどが、オリンパスからの契約料だったことは確実だ。
そして2008年に同社にとって初、そして唯一といえる大型案件、オリンパスの英社買収を仲介したことになっている。だがその直後の2008年2月1日にアクシーズは米当局に登録取り消しを申し立て、同年12月に解散している。
昨日の会見で、オリンパスの高山社長は、今回の損失隠蔽工作は、約20年前から菊川会長兼前社長、及び森久志副社長と山田秀雄監査役の3人だけで行われてきたとされる。高山氏本人は、「前日にはじめて知った。驚いた」と、信じがたい答えを発していた。だがこの3人がどうやって、佐川肇氏という「1個人」を知りうることができたのか。企業が「有価証券投資の大損失」を「巧みに飛ばす」ことを考えた場合、真っ先に相談すると想定されるのは、「極めて親密で口の堅い身近なプロ」のはずである。オリンパスの場合、「主幹事証券」である野村証券が、「その身近なプロ」と映るのが自然であろう。
ただし、野村が「直接手を染める」のは、危険極まりないのはいうまでもない。そこで野村が目を付けたのが、大卒以降、10数年を勤務した「生粋の野村マン」といっていい佐川氏だったのではないか。独立したものの、まったく実績が上がらず、「ぷらぷら」していた佐川氏という「個人」に、「ビジネスを依頼」したというのは、うがった見方といえるかどうか。
オリンパスの3人の「高齢者幹部」と、野村OBの佐川氏の「個人ぐるみの犯行」。こうしたシナリオで、オリンパスと野村Hは、正面突破を計る算段と考えられる。民主党政権下の証券取引委員会と東京証券取引所が、そのシナリオに「乗る」、いや「乗れる」のか、監視したい(自民党政権下では、2者と野村は、「原子力安全保安院と東京電力」のような関係にあったのだが)。
なお佐川氏が、「行方不明」になっていると、本日朝から報じられている。
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